書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
北川草子
おきまりのなんとかなるよがききたくて豆が煮えるまでのペシミスト
これ、かわいいなって思いました。豆が煮える間、ちょっと長いけど、でもずっとってわけじゃなく落ち込んでて、でもあなたが「なんとなるよ」って言ってくれるの分かってて、それが聞けたらもう大丈夫って思ってるんだよね。
この人の歌は全体的にふんわりとした優しい明るさがあって、でも「スプラッタ・ショー」「グリセリン・ソープ」「ラッピング」「タイムマシン」などのカタカナが効果的に使われているなーと思いました。カタカナ混じりで現代的なのに優しくて柔らかい感じ。
いつかはねって淋しくわらうニッキだけ底に残ったドロップの缶
これも好きです。いつかはニッキも食べるからさ、ってことなのかな?なんとなく、缶のドロップを食べる時、透明のやつ(ミント?)が出るとがっかりしたこと思い出した。あれはサクマドロップスですね。ニッキは入ってなかったような気がするなぁ。
”ニッキ ドロップ” でググると浅田のど飴ばっかりひっかかっちゃうなー。なんのドロップ缶なんだろうな。そういえば昔なぜかマスカット味の飴が嫌いだったな。好き嫌いあって同じ味ばっか残っちゃうの分かります。でも、本当にいつか食べるんだろうか。淋しくわらう、っていう言葉からは、いつかなんて永遠に来ないような気もします。このまま忘れられて捨てられちゃうんじゃないかなって。
そして過去に全く同じ歌作った人がいても驚かないレベルのド直球短歌作りましたが、仮にかぶっていてもパクリではありません(笑)。無知なだけ…。
ありふれた例えだけれど眠れない夜のホットミルクだね、きみは (yuifall)
白だけのドロップがちゃがちゃ振っている 見せてよきみのインクルージョン (yuifall)